制作について

もう一つの現実を、あなたの日常へ。

『ハピサマ!』で目指しているのは、プレイヤーの皆さんに、物語の世界をもう一つの現実のように感じてもらうことです。

登場人物たちと笑い、悩み、すれ違い、ときには傷つきながら、同じ時間を過ごしていく。画面の向こうに、確かに誰かが生きていると感じられるような世界を描きたいと考えています。

そして、物語を終えて自分の日常に戻ったとき、その世界で経験した何かを持ち帰ってもらえたら嬉しく思います。

フィクションだからこそ触れられる優しさや痛み、言葉にできない感情。そうした体験が、いつもの景色や人との関わり方をほんの少し違って見せてくれるかもしれません。

何かの答えや教訓を伝えたいわけではありません。受け取るものは、一人ひとり違っていていいと思っています。

ただ、遊んでくれた人の心に何かが残り、その人の現実の日々を少しでも豊かにできること。

それが、この作品を通して実現したいことです。

  1. 個人制作だからこそ、できることを。

    『ハピサマ!』は、企画・シナリオ・イラスト・プログラミングなどを中心に、ほぼ個人で制作している青春群像ビジュアルノベルです。

    企業のような大きな制作体制や潤沢な予算があるわけではありません。それでも、登場人物一人ひとりの想いや葛藤、何気ない会話の積み重ね、選択によって変わっていく関係性を、できる限り丁寧に描きたいと考えています。

    同時に、この作品を自分一人の活動だけで完結させたいとも思っていません。

    音楽や翻訳をはじめ、さまざまな分野で活動する個人クリエイターの方々とつながり、互いの表現を尊重しながら、一つの作品を形にしていくこと。

    そして、この作品が誰かの創作活動を知るきっかけとなり、その活動の広がりに少しでも貢献できればと願っています。

  2. 技術を、より豊かな体験のために。

    個人制作には、時間や資金、技術的な制約があります。

    その中で、描きたい世界をより豊かに表現し、一人でも多くの人に届けるための手段として、生成AIを制作工程の一部に取り入れています。

    目的は、単に作業を効率化することだけではありません。

    物語の感情の流れや文章表現を磨くこと。背景や映像演出の幅を広げること。システムや操作性を整え、プレイヤーが自然に物語へ入り込めるようにすること。

    こうした積み重ねによって、作品の意図がより伝わりやすく、体験の密度が高まることを目指しています。

    一方で、物語の展開や台詞、キャラクターの人物像、立ち絵・イベントCGなど、作品の根幹となる創作は制作者自身が手がけています。

    登場人物が何を感じ、どう生き、どのような選択をするのか。その中心にある想いや世界観を大切にしながら、必要な技術や人の力を取り入れて制作しています。

    大切にしているのは、どれだけ多くの表現を盛り込めるかではなく、それがプレイヤーにどのような体験として届くかということです。

    何を描き、何を描かず、どのような形で届けるのか。その判断を重ねながら、一つの作品として作り上げています。

  3. 生成AIの具体的な活用範囲

    本作品では、主に以下の工程で生成AIを活用しています。

    • シナリオプロット段階での感情の流れや整合性の検証、カタルシスを高めるための構成整理、文章表現・語彙・表記の推敲、誤字脱字の確認
    • イラスト・映像一部の背景・UI・作中ムービー・プロモーション素材の制作および加工
    • 翻訳公式サイトやゲームシステムに関する用語・文章の翻訳補助
    • プログラミング自身で作成したコードの構造整理や不具合修正

    メインビジュアルの背景については、手描き原画をもとに生成AIによるディテール補完と画面拡張を行い、その後、手作業で加筆・修正して仕上げています。

    メインビジュアルの背景の手描き原画。夏の青空と入道雲、光る海
    手描き原画
    生成AIでディテールを補い、手作業で加筆・修正した背景。雲の輪郭と波の描き込みが細かくなっている
    生成AIによるディテール補完と、手作業での加筆・修正
    横長に広げて仕上げた背景。左上から差す日の光、右に連なる入道雲、手前に広がる海
    生成AIによる画面拡張と、手作業での加筆・修正

    いずれの工程でも、作品全体の表現意図に照らして内容を確認し、最終的な採用や調整を行っています。

  4. クリエイターとの協力について

    ローカライズや作詞・作曲など、一部の制作工程では外部クリエイターの方々にご協力いただいています。また、利用条件に基づく既存素材も使用しています。

    一人では生み出せなかった表現に、誰かの技術や感性が加わること。それもまた、個人制作の大きな魅力だと考えています。

    作品を楽しんでくださるプレイヤーの皆さん、制作に協力してくださるクリエイターの皆さん、そしてこれから出会う方々。

    『ハピサマ!』が、そうした人々の間に新しいつながりを生む作品になれば嬉しく思います。